「結婚」を想像した30歳女子(娘)

私にとって、唯一と言ってもよい友人と、珍しい話題になった。

「結婚」。

 

お互いにそのあたりの話は得意ではなく、お互いに不可侵という雰囲気でやってきたが、三十路になっていよいよ考えざるをえなくなってきた。

付き合って3年ほどたつ彼氏を持つ友人は、1年ほど前から、いわゆる求婚をされているらしい。

「いいやん、したら。あんたと結婚してくれる心の広い男はあの子しかおらんで」

「うちもそう思うねん。するならその子やと思うんやけど。」

 

けどさあ、、、と言う。

彼女の懸念は、結婚という「契約」によって自分のアイデンティティが失われるという恐怖のようだ。

結婚したら「●●の奥さん」として扱われる、今までのように自由に遊べない・遊んではいけないという「世間様の目」が嫌でしょうがない。明らかにデメリットが多すぎる、と。

彼女の周辺の結婚した友人を誘いづらくなったという実体験も影響しているらしい。

 

ふーーーーむ。

なんとなく分かるようで分からない、というか、そんな昔ながらの固定観念を恐れるのかこいつは、という感覚を持った。

 

考えて、翌日に、こうLINEした。

「やっぱり考えたけど、自分が自分のライフスタイルを守ればなんとかなるもんちゃう?甘いかもしれへんけど」

「そうなんかなー、自分がそうでも、やっぱ世間様があるやんか?あそこの奥さん、お友達と2週間も旅行やて!みたいなさあ」

「気にせんでいいやろそんなん。結婚したとしても2週間旅行いこや」

「せやな、行こう行こう」

 

やっぱり甘いのかもしれないけど、なんとかなるだろうと思えるのは、30年前の時代にありながら、自分の夢や生き方をまっすぐに追いかけて実現し、(成功か不成功か分からないけど)子供2人を育てあげた母の姿のおかげであることは間違いない。

●●のお母さん、●●の奥さん、ではなく社会の中で1人の仕事人として生きて、子育てがひと段落した50歳を過ぎてからが最もエネルギッシュに見える、母のおかげだ。

そんなにうまく、強くカッコよくできる自信はないけど、(何より結婚できるのか分からないけど)憧れと目標であり続ける、女性としての生き方だ。