デイサービスHの方々へ(2019.7.9 母)

6月29日から,母は,介護付老人ホームKに体験入所していましたが,7月4日に入所契約を済ませ,そのまま長期入所をお願いすることにいたしました。

皆さまには,大変お世話になり,ありがとうございます。

母と私は,平成28年4月から3年以上にわたって,皆さま方にたくさんのお力をいただいてきました。改めてこの歴史を振り返り,感慨を深めております。

 

Hにお世話になる約1年前から,母は自宅で一人過ごさせるのが心配な状態になり,家政婦協会の方に来ていただくようにしました。でも,母は,なぜそのような方が来られるのかいぶかしむばかりで,私の期待に反し,良い時間は過ごせなかったようです。

当時のケアマネさんにご相談し,Hを紹介されて訪問させていただいたとき,「ここなら母も楽しんでくれそうだ」と直感しました。その後,Hに通うようになった母が「お教室」と呼ぶようになったように,利用者さんとスタッフの方々が過ごされていた部屋は,まさに昔の女学校の教室のような和やかで安心できる空間でした。

そのような時間と空間を作り出されていたスタッフの方々の力量がどれほど優れたものなのか,今なら,当時以上によく理解できます。

 

母のような性格の人には,デイサービスに参加させていただくのは無理なのではないかという懸念をよそに,母は,Hに通うのを楽しみにするようになりました。「デイサービス」ではなく,「H」と言う名前の「お教室」に通うようになったと母は理解し,当初は,毎日の記録に目を通して,「わたし,おしゃべりなんてしていないのに,おしゃべりって書いてある」等と言うこともありました。

母にとっては,昔の小学校の教室で「おしゃべり」してはいけないとしつけられていたことを思い出させたのかもしれません。そんな母の様子をお伝えしたところ,すぐに記載方法を工夫していただき,ありがたかったです。

毎日,細かく母の状態を記録していただいていたのに,母が読んでどう感じるか分からないと思って私の方は一度も書き込むことなく,必要なことはUさんやNさんが電話やメールで連絡してくださりお伝えするなど,余分なお手数をおかけして申し訳ないことでした。

 

帰宅後に読むのを楽しみにしていた記録は,10センチを超える束になっています。日々のバイタルチェックの数値,当日の行事,それに対する母の反応,気になること等を書きこんでくださり,母が多くの方々に見守っていただいているという安心感を持つことができました。ランチのメニューを自分で書くよう誘導していただくのも大変だったと思いますが,母が,徐々に文字が書けなくなってきた経過がよく分かります。

 

適切に介護の仕事をするためには,スタッフ一人一人が豊かな想像力,共感力,忍耐力を備え,冷静に状況を観察して必要な支援を提供できる髙い技術を持っていることが必要であり,さらにそういう能力を発揮できる体制ができていることが大切なのだと最近実感しています。

入居施設を探すにあたって,いくつかの施設を見学しましたが,職員数の関係もあるせいか,「うちでは,これが限界です」という説明を受けることが多く,悲しい気持ちになりました。

Kでは,基準より多い人数の職員が対応してくださっていて,入居者に対する視線もHと同様,温かいものだと感じられます。

 

長年,日中のほとんどをHにお世話になり,夕方の数時間をTの会を利用させていただけたおかげで,母は長く自宅での生活を過ごすことができました。

私が,日常的に直接接することができたのは,Uさん,Nさん,朝のお迎えに来てくださる方々だけでしたが,どの方々も,いつもにこやかにあるがままの母を迎え入れてくださる様子に,母と同様,私も日々元気をいただき,安心して毎日を送ることができました。

 

母にとっても私にとっても,この3年余りは,貴重な時間になりました。

私たちに大切な時間を与えていただき,心から感謝しています。

 

これからも,Hの皆さま方が,他の多くの高齢者と家族の人々のために良い時間を提供し続けてくださることを願ってやみません。