人生を計算すること

息子が長い付き合いがあるという保険代理店のAさんが,いくつかの保険を提案してくれた。

信頼できそうな方だから,ピックアップしてくれたのは,合理的な商品だと思う。

ただ,どうやら話のポイントは,私が死亡したときの相続税を減らすための方策にあるようだ。

考えてみたら当たり前だ。60歳過ぎたら仕方ない。税金を払うより,少しでも子どもたちに遺すようにした方がいいに決まっている。

 

とはいえ,自分の死亡時期をリアルに想像するって,あまり楽しくない。

Aさんは,慎重に,「30年,40年後に相続が開始された場合,,」という言葉を使われたが,それは5年先,いや3年先かもしれない。

 

「100歳保険」なるものもあるらしい。

100歳までに死ねば一定の保険料が子どもたちに入るというもの。日野原さんが入っていればぎり受け取れなかったことになりますよね,と冗談交じりにAさんは言う。

でも,「も少し早くお迎えがきてくれたら,得したのに」と周辺に思わせてしまう保険ってどうなんだ。

 

保険を売ろうとする人は,統計や確率を駆使して,顧客にふさわしい保険を提案する。

問題は,それを自分にどうあてはめたらいいのか。

自分の余生の長さを予想して,支払う保険料と受け取る保険金の多寡を計算してみないといけないが,結局は,よく分からない。

 

できれば,自分の人生に数字をあてはめるのはやめておきたいと思う。。